ローマの休日50周年記念 デジタルマスター版

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ローマの休日の舞台を巡る遺跡と場面その1

バルベリーニ宮

「ローマの休日」は、パラマウント・ニュースの映像ではじまります。ニュースでの出だしにすることで、王女をとある国とふくみを持たせて、リアリティをだそうとしたのではない?!と思われます。そのニュースでは、ヨーロッパ諸国を巡る親善旅行中のアン王女が、ロンドン、アムステルダム、パリの3都市を訪れた様子が映されます。ロンドンではバッキンガム宮殿を訪問し、アムステルダムでは遠洋定期船の進水式に出席、パリでは多くの会議に参加して貿易の促進に努めたことが報じられる中、アン王女はどの訪問地でも民衆の歓声に笑顔で答えています。
次に、最後の訪問地であるローマに到着したことが伝えらます。ニュース映像では、サン・ピエトロ大聖堂が映された後、王女を歓迎する軍隊が行進する姿と狙撃バンドが走って行く姿が映されます。最後に、アン王女を乗せた車がイタリア駐在の大使館に入っていく場面が映され、そこで王女を迎える舞踏会が催されたことが伝えられます。ここで、パラマウント・ニュースは終わり、次の舞踏会のシーンから、映画の本篇が開始されます。
アン王女を乗せた車が大使館に入るシーンでは、大きな鉄格子の扉が映されています。大使館の敷地の前には、街路に沿って巨大な石柱が立ち並び、柱の間に鉄格子の柵が嵌め込まれています。「ローマの休日」の映像には、アン王女を一目見ようと押し寄せた市民が鉄格子の柵に沿って並んでいる様子が映されている。そして、アン王女を乗せた車が、開かれた門の中に入っていくシーンでは、門の隙間から宮殿も映されています。

ローマの宮殿は街路沿いまで建物が迫り、建物の中央に中庭を持っているものが多いんです。ですから、このような立派な正門は、ローマの街中ではとても珍しいのです。「ローマの休日」で大使館として使われた建物のように前庭があり、街路沿いに壮麗な正門を設置している宮殿はとても少ないのです。
大使館の外観として使われたのは、17世紀前半に建設されたバルベリーニ宮ですカルロ・マデルノとフランチェスコ・ボッロミーニとジャン・ロレンツォ・ベルニーニというバロック芸術を代表する3人の建築家が建設に携わりました。しかし、『ローマの休日』に映された宮殿の外観を覚えている人は少ないと思われます。映画では、正門の隙間から見える宮殿が数回映されているだけだからです。多くの人の記憶に残っているのは、アン王女が大使館から脱け出すシーンと翌日にジョーと別れるシーンで映される豪華な正門の方だと思います。この正門は意外にも新しい正門で、1864年に建築家フランチェスコ・アッズッリによって建設されたものです。

バルベリーニ宮は、内部に壮麗な装飾が施されていることでも有名です。特に大広間にあるピエトロ・ダ・コルトーナの天井画『神の摂理の勝利』は、バロック芸術の傑作と言われていますが、「ローマの休日」ではこの宮殿の外観のみが映され、内部空間の撮影には別の宮殿が利用されたんです。

ブランカッチョ宮

舞踏会や寝室など、大使館内部のシーンの撮影に使われたのは、「ローマ貴族の最後の宮殿」として知られているブランカッチョ宮です。この宮殿は、サルヴァトーレ・ブランカッチョと妻のメアリー・エリザベスフィールドの依頼で、1880年に建設された建物である。建築家ガエターノ・コックによって設計され、画家フランチェスコ・ガイによって内部装飾が施されました。
ブランカッチョ宮があるエスクイリーノの丘は、19世紀後半にローマがイタリアの首都になった後に、建物が高密に建ち並ぶことになった地域です。1880年にブランカッチョ家によって建設された壮麗な宮殿は、当時、すでに珍しくなっていた貴族の大邸宅であったことから、「ローマ貴族の最後の宮殿」と呼ばれるようになりました。
ブランカッチョ宮の一部は現在、国立東洋博物館として利用されてますが、「ローマの休日」の撮影に使われた部屋は博物館の中にはありません。舞踏会や寝室のシーンで映された部屋は、現在、パーティー会場として利用されています。

ナイアディの噴水

大使館から出ようとしている小型トラックを見つけたアン王女は、運転手に隠れて荷台に乗り込み、大使館から脱け出すことに成功します。
やがて、アン王女を乗せたトラックは円形の広場に到着します。広場の中央には、水を高く噴き上げている噴水があります。広場はロータリーになっていて車の通りが多く、クラクションやエンジンの音が鳴り響いています。眠っていたアン王女は目を覚まし、トラックから飛び降ります。
アン王女がトラックから降りたのは、レプッブリカ広場です。この広場は、「エセドラ広場」と呼ばれることもあります。古代ディオクレツィアーノ浴場の「エセドラ」と呼ばれる半円形の建築部位の遺構の形を尊重して広場が円形に整備されたからです。この広場は、1887年から1898年にかけて建築家ガエターノ・コックによって整備されました。古代の「エセドラ」に呼応するかのように列柱廊が建設され円形の広場が生まれたのです。
「ローマの休日」に映されている噴水は、4体の水の精(ナイアディ)が設置されているため、ナイアディの噴水と呼ばれています。
4体の彫刻はマリオ・ルテッリによって制作された裸体の女性像で、それぞれ、馬(海の象徴)、白鳥(湖の象徴)、蛇の形をした怪物(川の象徴)、奇怪な爬虫類(地下水の象徴)と戯れています。

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2013 roman-holiday.jp